これはもう決定事項,あしたへ進む唯一の道筋,と云ってよさそうだ。
メインフレームであるパワー4チップを基とする,IBM社の64ビットのパワーPC 970チップによって,モトローラ社はIBMにアップルのチップ市場を譲ってしまいそうだ。それによってモトローラのG5チップは組み込み型チップの市場へとフォーカスするかもしれない。G5には競争力がなく,アップルはマックをリフレッシュするのに,OS Xに加えて970チップは魅力的だ。
アップルはG4への移行をしたことを後悔している,というのが正しいようだ。もちろん現行ほとんどとなるG4チップのユーザーに対してそんなことは云わないが,G3に固執したIBMを捨てて,「明確に」G4への「転向」を決めたあのときのアップルの決断に,アップル社内,そして一部のユーザーは果たしてこれでよかったのだろうか? と日増しに不信感をつのらせてきた。そしてその不安は,進まむチップスピードや,抑えられぬ発熱性などで,「明確に」マックハードウェアの「癌」とまで云われるようにまでなってしまった。
パワーPC 970(VMXと呼ばれていたもの)がG4への移行を決めた決定的材料となったアルティベックと互換性のあるベクトル演算ユニットを持ち,IBMがマックハードウェア上でのG3チップでみせていたポテンシャルを発揮してくれるとなれば,G4の次として,モトローラのG5ではなく,IBMの970チップへと移行するのは,当然のことだ。OS Xのため,あしたのアップルのため,いまもっとも安心できる選択肢は,970チップ以外にはない。
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